どうも、武器商人です。
当ブログでは、これから書評や映画レビューを中心に記事を書いていこうと思います。趣味ブログですので、あくまで僕の独断と偏見で選んだ作品を取り上げていきます。今回は戦争映画のレビュー第一弾として「陸軍中野学校」をご紹介します。
戦争映画の一般的なイメージとの違い
戦争映画というと、暗く重たいイメージや、グロテスクで残酷な描写を想像する方も多いかもしれません。しかし、「陸軍中野学校」はそのような作品とは一線を画し、優雅でスマートな作風が特徴です。
そもそも「陸軍中野学校」とは何か、ご存じない方もいらっしゃると思うので、まずは簡単にご説明します。
陸軍中野学校とは?
陸軍中野学校は、1938年に設立された日本陸軍のスパイ養成学校です。諜報活動、宣伝工作、暗号解読、心理戦術、さらにはゲリラ戦や破壊工作といった多岐にわたる特殊任務の訓練が行われました。卒業生は戦場や占領地で活躍しましたが、敗戦とともに学校は解体され、その存在は長らく秘匿されていました。
簡単に言うと、日本版「007」のようなスパイ育成機関と言えるでしょう。スパイの仕事は厳しく過酷ですが、この映画ではその陰の部分ではなく、華やかな表舞台に焦点が当てられています。
映画「陸軍中野学校」の見どころ
本作の主人公は、三好次郎(偽名:椎名次郎)。演じるのは二枚目俳優の市川雷蔵さんです。さらに、教官役として名優の加藤大介さんが出演しています。市川雷蔵さんは戦後生まれですが、加藤大介さんは実際に従軍経験があり、そのリアリティは戦後生まれの俳優では再現しがたい魅力を持っています。
映画は全5作で構成され、各90分程度とコンパクトで観やすい内容です。第1作目では、主人公の椎名が陸軍中野学校に入学し、スパイとしての基礎を学ぶ様子が描かれています。初心者でも楽しめるよう、スパイの基礎知識を丁寧に説明する「チュートリアル」のような内容になっています。
専門家にも評価される作品
この映画は、インテリジェンス分野の専門家からも高く評価されています。例えば、元外務省専門職員で作家の佐藤優さんは、自著でたびたび本作を紹介しています。海外の諜報機関の専門家にこの映画を見せた際、「こんなに公開して大丈夫なのか?」と驚かれたというエピソードもあるそうです。リアルな描写が専門家をもうならせる点が、本作の魅力の一つです。
「ジョーカー・ゲーム」との関連
柳広司さんの短編小説「ジョーカー・ゲーム」は陸軍中野学校をモデルにしています。作中では「D機関」として登場し、アニメ化もされました。僕もアニメ版を観ましたが、現代的な絵柄でとても面白い作品でした。それにもかかわらず、あまり人気が出ていないのは不思議です。何かのきっかけで再評価されることを期待しています。
なお、亀梨和也さんが主演で実写化もされていますが、こちらも面白いと思います。ただ、映画「陸軍中野学校」と比較すると戦争映画っぽい感じはかなり薄くなっていますね。スパイ映画としての観ると面白いのではないでしょうか?
まとめ
「陸軍中野学校」は、戦争映画の中でも特に優雅でスマートな作品です。リアリティのある演技や、スパイ活動の華やかさを描いた点が特徴で、専門家からも評価されています。初めて戦争映画に挑戦したい方や、スパイものが好きな方には特におすすめです。興味があれば、ぜひ一度ご覧になってみてください!