どうも、武器商人です。
僕は1982年生まれの42歳ですが、20年以上前に大学受験を経験しました。当時は、今よりも競争率が高く、いわゆる「受験戦争」と呼ばれる時代でした。緊張感が漂う中、勉強に励んでいたのを今でも覚えています。
得意だった教科は英語と数学。一方で、国語は苦手でした。文章を読むのも書くのも不得意で、出題者の意図を汲み取ることなんて到底できませんでした。そんな僕を助けてくれたのが、予備校の講義をそのまま書籍化した「実況中継シリーズ」でした。
このシリーズは、講義形式で書かれており、まるで本当に授業を受けているような感覚になれる面白い内容でした。当時、多くの受験生に愛され、大人気シリーズでした。その中でも特に僕が気に入っていたのが、「早わかり文学史」です。
文学というのは、活字が好きな人であれば作品としての面白さを感じられるものです。しかし、その作品が書かれた時代背景や、どのような時代にどんな作品が流行していたのかを知ると、さらに深く楽しめます。こうした背景知識を手軽に得られるのが、この書籍の魅力です。
「早わかり文学史」は1996年に刊行されたもので、今ではかなり古い本と言えます。著者の出口汪先生は、当時の大人気予備校講師でした。この本は、文学史の流れを説明するだけでなく、非常に面白く語られているのが特徴です。僕が大学受験時に読んだのが20年以上も前ですが、今読み返しても、当時の記憶がよみがえり、懐かしい気持ちになります。
内容としては、近代文学史=西洋化の流れを起点に話が進みます。それ以前の古典作品については扱われておらず、坪内逍遥が西洋文学を日本に導入したところから始まります。この流れが日本の西洋化とリンクしており、以下の4つの大きな時代区分で整理されています。
各時期の代表的な作家や作品を織り交ぜながら、文学史をつながりのあるストーリーとしてまとめ上げた筆者の手腕には脱帽です。また、巻末には主要な文芸思想や作家、作品の総まとめが付録として収録されており、非常に実用的です。
日本の文学史を体系的に学びたい方はもちろん、日本の古典小説に挑戦してみたい方にとっても、この本は優れたガイドになると思います。それに、単純に読み物としても十分に楽しめる内容です。
最後に、文学史という性質上、日本を代表する数多くの作品が登場します。しかし、中には読むのが難しい作品や、忙しくて読書時間が取れない方もいるでしょう。そんなときは、漫画化や映画化された作品を活用するのも良いと思います。文学史の流れを把握しておけば、さらに楽しめること間違いありません。